海外に行くとしても、うちの猫は置いていけない😼
猫を連れて日本へ来るまでの手続きを、時系列で書き残した長めのメモ。時間が経ってしまったので細部はかなり抜けているけれど、流れ全体はたぶんこれで追えるはず。
事前調査
猫を連れて海外へ行くと決めた時点で、「ペットの海外渡航は面倒らしい」という話はなんとなく耳にしていた。でも、正直そこまで本気では調べていなかった。自分の出国日程が固まってから見ればいいだろう、くらいの気持ちだった。
で、いざ予定がだいたい見えてきてから調べ始めたら、その場で青ざめた。日本の動物検疫所(AQS)の要件だと、準備開始は少なくとも 7か月前 。
終わった、と思った。
ただ、その後たまたま自分の出国予定が後ろにずれたおかげで、結果としてはギリギリ間に合い、猫も無事に連れて来られた。
猫を日本へ連れて来るには何が要るのか
猫には国籍がない。私みたいに、行く先々でビザだ何だと悩まされないのは羨ましい。
とはいえ、多くの国は動物の持ち込みに対してものすごく厳しい。生鮮食品や果物・野菜でも止められるのだから、生体動物となればなおさら。
私はビザ、猫は検疫書類。まあ引き分けということで。
振り返ると、手続きはだいたい次の3本立てだった。
-
出国側(中国)の検疫書類
出発国が発行する検疫関連の証明。中国から出るなら、中国税関が発行する健康・検疫系の証明書が必要になる。
これがないと、そもそも航空会社が猫を載せてくれない。
日本到着後もAQSが確認するので、片道切符の書類ではない。 -
ペットの航空輸送予約
心情としては「こんなに小さいんだからバッグで機内に連れて行かせてくれ」と言いたい。
でも現実には、多くの航空会社が客室同伴を認めていない。鳴き声や匂いの問題だと思う。
なので普通は貨物室の生体動物用スペースを予約することになる。飛行中は酸素も供給される。
ただ、この枠は便ごとにかなり少ない。2〜4枠しかないことも珍しくないので、まず航空会社に電話して空き確認、それから航空券購入、購入後に再度電話して動物枠を押さえる、という順番になる。
当日は空港で料金を支払う。 -
入国側(日本)の検疫書類
つまり日本側が要求する一式。ここが一番重い。
動物検疫所の要件を読んで、指定された順番で検査をこなし、書類をAQSへ送り、審査を通す必要がある。
通れば「その猫を日本へ入れてよい」という扱いになる。
実際の移動順は 出国側の検疫 >> ペット輸送予約 >> 日本側の検疫 だけど、準備順はほぼ逆。
- 日本側の
輸入検疫は少なくとも 半年以上前 から準備開始。ここで勝負が決まる。 - 中国側の
出国検疫は出発 2週間前 で間に合う。というより、有効期限が短いのでその時期にしかできない。 ペット輸送予約は自分の旅程次第。航空券購入前に空き確認、購入後に枠確保。
日本側の 輸入検疫 をどう進めるか
この部分で一番信頼できるのは、当然だけど日本公式のガイド: 動物検疫所:犬、猫の日本への入国 (指定地域以外編)
ここは本当にちゃんと読んだ方がいい。読み飛ばすと「日本には着いたのに猫が空港で詰む」という最悪の展開があり得る。
指定地域以外
動物検疫の主目的は狂犬病の侵入防止。日本は各国を「狂犬病がない指定地域」と、「狂犬病がある指定地域以外」に分けている。
指定地域から連れてくる場合は手続きがやや緩い。
中国は指定地域以外なので、より厳しい手順が適用される。
公式ガイド自体かなり丁寧で、多言語版もある。なので理屈の上では、このブログはもう終わってもいい。

この図に沿って見ると、手続きは大きく8段階。
- ステップ1:マイクロチップ
- ステップ2:狂犬病ワクチン(1回目)
- ステップ2:狂犬病ワクチン(2回目)
- ステップ3:狂犬病抗体価検査(採血)
- ステップ4:入国前の待機期間
- ステップ5:入国の40日以上前にAQSへ申請
- ステップ6:出国前の健康診断(動物病院)
- ステップ7:中国(税関)の証明書を取得
- ステップ8:日本到着後の検疫・健康チェック
以下もこの順番で、私が実際に準備した流れを書いていく。
ステップ1:マイクロチップ
なぜマイクロチップが必要か
日本側は、「書類に書いてある猫」と「目の前の猫」が本当に同一個体かを確認したい。そのため、入国する犬猫にはマイクロチップが必須。
チップには番号が入っていて、首元の皮下に埋め込む。猫にとっては持ち歩く身分証みたいなもの。
到着後は検疫官がスキャナで読み取り、書類の番号と一致するかを確認する。
最近は日本でも、ペットの遺棄を減らすために、ペットショップで販売する犬猫にもマイクロチップ装着が義務化されている。
迷い猫・迷い犬を保護したとき、チップが入っていれば(たぶん)飼い主が分かる、という仕組み。
なお、日本ではペットの遺棄は犯罪。やめましょう。
チップを入れてくれる動物病院探し
最初の一歩からだいぶ面倒だった。私は地方の小都市に住んでいて、近所の動物病院へ片っ端から聞いて回ったのだけど、
返ってくるのは「海外渡航用のマイクロチップ?聞いたことがない」「うちはやっていない」ばかり。
万事はじめが難しい、とは言うけど、いきなりこんなに難しいのかと思った。
なので方針転換。チップは自分で買って、埋め込みだけ手伝ってくれる病院を探すことにした。
改めて聞いて回ると、大きい病院ほど「何かあったら困る」と渋く、最後は小さな病院が引き受けてくれた。
チップを自分で購入
万能のTaobaoで「ペット マイクロチップ」と検索すると、笑うほど出てくる。


だいたいこんな感じ。
商品説明を見ていると、犬猫だけでなく魚にも入れられるらしい。どれだけ高級な魚なんだ、管理のためにチップが必要って。
チップと注射器のセットで7〜8元くらい。送料の方が高い。
見た感じまだマシそうな店を選んで、少しだけ質問して、あとは急いで注文した。こちらは時間との勝負だったので。
実際に埋め込む
届いたら即、猫とチップを抱えて病院へ。
先生はショップ付属の雑な説明書を読みつつインジェクターを確認。チップは針の中に入っていて、後ろの小さなプラスチック棒で押し出す仕組みらしい。

仕組みが分かったところで実施。猫を出して、首元を消毒し、皮膚をつまんで、刺して、押して、抜く。一連の流れはかなり早かった。
少し押さえて様子を見て、特に問題なし。そこでようやく一息つけた。
雑談の中で先生が言うには、買ったのは最小サイズ(直径1.25mm)でも、普段の注射針よりはだいぶ太いので少し血が出やすいとのこと。まあ普通は大丈夫らしい。
先生と看護師さんは「おとなしくて偉い」と褒めてくれたけれど、真相は単に怖すぎて固まっていただけ。家では普通に大暴れする。
インジェクターの箱にバーコードシールが同封されていた。
そこに書かれている番号がチップ番号で、埋め込み後は猫の「ID番号」になる。
覚えられるものではないので、シールは大事に保管。
注射後に少し様子を見て、異常なし。撤退。
なお、この日はまだもう一発注射が残っていた(
ステップ2:狂犬病ワクチン(1回目)
1回目の狂犬病ワクチンは、マイクロチップと同日に打てる。
以前にも狂犬病ワクチンは打っていたが、問題が2つあった。
ひとつは、時間が経っていて日本側が認めない可能性があること。
もうひとつは、1か月後の抗体価検査に向けて、ここで改めて打っておいた方が抗体価が上がりやすく、不合格のリスクを少しでも下げられること。
もし検査に落ちたら、再採血して再検査して、合格するまでやり直し。避けたい。
抗体価検査は1回あたり約2000元くらいで、地味に痛い出費。
しかも海外の検査機関へ送るので、往復で2〜3か月くらい消える。時間も溶ける。1点目について:マイクロチップ装着前の接種記録は基本的に無効、という扱い。公式の文言はこれ:
マイクロチップを埋め込む前に接種した狂犬病予防注射は無効ですが、条件付きで認められる場合があります。
なので安全策として、日本公式の手順どおり、マイクロチップと同じ日に1回目を打った。
ここは特に難しくない。病院で打って、ワクチン瓶のラベルを手帳に貼ってもらい、署名とスタンプをもらって終わり。
ステップ2:狂犬病ワクチン(2回目)
2回目は、1回目から 30日以上 空けた上で、1回目の有効期間内に打つ必要がある。
中国では一般に1年扱い。うちの猫は輸入ワクチンで、メーカー公式サイトには3年有効と書いてあった。
でも実務上、日本側はその主張をまったく採用してくれず、中国製だろうが輸入品だろうが一律1年扱いだった。
後の
40日前までに申請の段階で、ワクチン名と有効期間を記入した。メーカーに従って「3年」と書いたが、AQSから「1年に直して」と言われた。
公式サイトを見せてもダメで、結局1年に修正した…。
つまり実際の運用としては、「30日以上空ける」「でも1年は超えない」が正解。
ステップ3:狂犬病抗体価検査(採血)
2回目を打った当日に、そのまま採血して抗体価検査に回せる。
採血して血清を分離
ここは比較的シンプル。2回目の接種が終わったら病院で採血してもらい、遠心分離で血清を分ける。
血清は柔らかい小さなチューブに2本入れてくれた。輸送中に片方が漏れたときの保険だと思う。
採血量は検査機関が必要とする血清量次第。だいたい血清1mlあれば足りる。
血清を検査機関へ送る
ここが一番しんどかった。他はなるべく自力でやったけど、血清の送付だけは代行業者に頼るしかなかった。費用はだいたい2000元くらい。
自力でできなかった理由は主に2つ。
その1:日本が認める指定検査機関
AQSのサイトにリストがある: 日本の農林水産大臣が指定する検査施設(指定検査施設)
この指定検査施設が発行した抗体価検査結果でないと、日本側で有効にならない。
リストにはたくさん載っているが、当時アジアの検査機関は日本に1つだけ(2022年末に台湾が1つ追加された)で、他はもっと遠い。
なので最初は「じゃあ日本の検査機関へ直接送ればいいのでは」と考えて、メールで「血清を送れば検査してもらえますか」と聞いた。
返事は「届くなら検査できます」。
よし、と思って配送会社を当たったら、中国郵政も順豊(SF)も「血清は生物製品なので個人発送は不可。国内も無理、海外はなおさら無理」とのこと。詰み。
では昔の人はどうしていたのか。Twitterで探すと、自分か友人が血清を手持ちで日本まで運ぶ強者もいたらしい。
ただ、当時の厳しい防疫事情ではそれは現実的ではなかった。
その2:個人で血清を送れず、代行業者が必要
そこで再びTaobaoへ。「ペット 血清 送検」的なワードで探して数社に聞くと、相場はだいたい2000〜3000元。
日本の指定検査機関に送ってはくれるが、あくまで「送るだけ」。不合格なら自己責任で、再採血して再送するしかない。
不合格の可能性があるので、業者によっては「サービス」をうたって、業者が用意した血清で検査に出す(猫の情報だけはあなたの猫のまま)みたいな話もある。
商売上手すぎる…。
いくつか比較して、Twitterでも相談して、最後は「たぶんここなら大丈夫だろう」という業者を選んだ。
血清をその業者へ送り、業者が海外へ転送し、結果が出たらまた業者経由でレポートが返ってくる仕組み。
費用は約2000元、前払い。不安しかなかったけど、他に手がないので送金した。
順豊で断られたので別の宅配を探し、保冷箱と保冷剤を用意して、「ケーキです」と言い張ってなんとか通した。
当然だけど、採血前に送検業者は決めておくべき。血清は温まったら終わるので。
検査結果
血清を送ったら、あとは祈るしかない。不合格だと時間もお金もまとめて溶ける。
1か月ちょい待った頃、業者から「結果が出た。合格。問題なし」と連絡が来た。あのときは本当にほっとした。
あとは紙のレポートが届くのを待つだけ。
私の観測範囲だと、中国の代行業者はほぼ全員、ドイツの同じ検査機関に送っていた。なぜ他の検査機関を使わないのかは謎。
ステップ4:入国前の待機期間
抗体価検査に 合格 しても、すぐ入国できるわけではない。輸出国、私の場合は中国で 180日間 待機する必要がある。
この180日は採血日から数えられる。つまり、血を抜いた日から180日経つまでは日本へ入れない。
もし180日を満たさないまま到着したら、専用施設で係留され、足りない日数をそこで消化することになる。もちろん有料。
ここでややこしいのが有効期限。中国での狂犬病ワクチンは実務上 1年 扱いで、抗体価検査の合格証明は 2年(採血日から)有効。
なので、2回目のワクチンを打ったその日に採血した場合、実際の到着可能期間は「180日後から1年以内」みたいな形になる。
2回目のワクチンが失効しそうなら、出発前に3回目を打っておく必要がある。
この期間は特に大きなイベントはない。自分の出国準備をしよう。
ステップ5:入国の40日以上前にAQSへ申請
日本到着前には、到着予定空港の動物検疫所へ「ペットを連れて入国する予定です」と事前に申請する必要がある。
書類を出して問題がなければ 届出受理書 が発行され、そこで初めて「この猫を入れてよい」状態になる。
このステップも普通に時間がかかる。書類に不備がないよう、メールで何往復か“友好的なやり取り”をして、やっと 届出受理書 に辿り着く感じだった。
次にやるのが事前申請、つまり 事前届出。
事前届出
申請は日本到着の 40日前まで。早いのはOK、遅いのはNG。
40日ぴったりを狙わず、2か月前、できれば3か月前くらいに出して「枠を確保」しておくのが無難。後から内容は修正できる。
申請方法は2つ:
- メールで書類一式を空港の動物検疫所へ送り、やり取りして
届出受理書をもらう NACCS(電子申請)で情報と書類を提出し、問題なければ届出受理書が発行される
私みたいに日本語で延々と役所メールをやり取りする自信がない人間は、当然2つ目。
NACCS(動物検疫関連業務)について(犬や猫の輸出入手続者用) は導入ページとして一度見ておくとよい。
NACCS(オンライン申請)
細かい操作そのものはもうだいぶ忘れたけれど、やり方のコツは覚えている。
この申請は修正回数に制限がない。私は5回以上直した。
だから初回提出の時点で全部を確定させる必要はない。自分の氏名、猫の名前、チップ番号、ワクチン情報、抗体価検査結果など、重要なところだけ正確ならいい。
フライト日程や到着後の住所などは仮置きでもよくて、未定 と書いておいて後で修正すればよい。
とはいえ電子申請でも、メール確認は普通に発生する。上で書いた「中国の狂犬病ワクチン有効期間は一律1年」問題も、そのやり取りの中で修正させられた。
届出受理書
事前届出 は「申請を出す」だけ。AQSが書類を審査し、問題がなければ 届出受理書 を発行する。これが「猫を日本へ連れて来てよい」という承認の証拠。
私の場合は日程変更が何度も入ったので、そのたびに修正して、やっと 届出受理書 をもらえた。
もらったら数枚印刷しておく方がいい。出国手続き、航空会社、入国時確認など、どこで必要になるか完全には読めない。
出入国では色々な書類を見せる。検査後に返ってこない場合もあるので、
届出受理書だけでなく、作った書類は一通りコピーを用意しておくと安心。
輸入検査申請書
届出受理書 をもらっても終了ではない。これはあくまで「連れて来てよい」という承認であって、到着当日の検査予約とは別。
行程が確定したら 輸入検査申請書 を出して、「いつ、どの空港に着くので、その日に検査をお願いします」と伝える必要がある。
これもNACCSでオンライン申請できる。届出受理書 が発行されると、システム側でも 輸入検査申請書 の提出が必要だとリマインドされるので忘れないように。
ステップ6:出国前の健康診断(動物病院)
時系列で言えば、このステップは本当は ステップ7 の後。健康診断は出国前10日以内に行う必要があるから。
注意:この検査の有効期限も10日。早くやっても意味がない。
一方で次の ステップ7:中国(税関)の証明書 は出国前14日以内で、かつ政府機関(中国税関)による発行が必要。
明らかに後者の方が難易度が高いが、日本公式の手順順で記録していく。
ステップ6の診断自体はかなり簡単だった。地方の病院では「海外渡航用の健康診断」をやったことがない先生が多く、何を重点的に見るべきかも手探り気味だった。
実際には「元気か」「明らかな異常はないか」をざっと確認するくらいで終わった。
ここで本当に大事なのは診断そのものではなく、獣医師の署名 と 病院のスタンプ が入った Form AC を回収すること。
Form AC
Form ACはこんな感じ:

ざっと見ると、この表は3つのパートに分かれている。
- パート1:飼い主が記入。ペットの個体情報、ワクチン接種記録、抗体価検査結果など。手書きミス防止のため、電子で入力して印刷するのが良い。
- パート2:動物病院が記入。獣医師名、病院名・住所、検査日、獣医師の署名、最後に病院スタンプ。
- パート3:最下部。理屈の上では政府機関(税関)が署名・公印を押して「上記は真実」と証明する欄だが、中国では用途不明の外国様式に公印を押してくれないことが多い。
AQSもそれを想定していて、メールで「中国側が日本の Form AC に公印を押さない場合は、獣医師の署名 と 病院スタンプ のあるForm AC(つまりパート1と2)でよい」と書いていた。
ただしその代わりに、ステップ7で中国(税関)が発行する Animal Health Certificate をコピーし、その コピー に動物病院のスタンプをもらう必要がある。
以下は検疫所メール原文:
中国の動物検疫機関は「中華人民共和国出入境検験検疫局(以下、検験局。略称CIQ)」となります。1.検験局の所定の様式<ANIMAL HEALTH CERTIFICATE>に全ての処置事項の記載がある、または2.日本の推奨様式Form ACに検験局のサイン及び公印を取得する、 必要があります。
しかし、過去の輸入事例から上記2点の実現は非常に困難であると思われ、1.については、狂犬病抗体検査についての記載がない2.については、日本の様式に中国の公印を押印しない ということが予想されます。
このため、まず当メールの添付ファイルから推奨様式(Form AC)を印刷します。(FormACは添付の記入例を参照してください。)そして、中国から出国する10日以内に検験局指定の動物病院にて健康診断を受診の上、Form ACの作成を依頼し、動物病院のスタンプ及び担当獣医師のサインを取得してください。
また、検験局の所定の様式<ANIMAL HEALTH CERTIFICATE>も取得してください。検験局の所定の様式<ANIMAL HEALTH CERTIFICATE>に狂犬病抗体検査について記載がなければ、その所定の様式<ANIMAL HEALTH CERTIFICATE>のコピーを取り、そのコピーに動物病院のスタンプを取得してください。推測だけど、ステップ7で中国(税関)が発行する
Animal Health Certificateに、Form ACで必要な情報(個体情報、ワクチン記録、抗体価検査結果)がすべて記載されているなら、病院スタンプ付きのAnimal Health Certificateコピーは必須ではないかもしれない。
日本側が主に心配しているのは、Animal Health Certificateに抗体価検査結果が書かれていないケースが多いこと。税関で発行してもらう時に追記してもらえるか試す価値はあるが、期待しすぎない方がいい。
安全策としては、病院スタンプ付きのコピーも取っておくのが無難。難易度もそこまで高くない。
訂正方法
Form AC自体は、本来そこまで難しい書類ではない。診断して、フォームを整えて、出して、審査待ちのはずだった。
ところがここでやらかした。初回提出時、フォーム右上の ペットの性別 と 用途 のチェック欄を2つ、きれいに入れ忘れた。
差し戻されたので、「じゃあ自分でチェックを入れて出し直せばいいだろう」と軽く考えて再提出した。
……また差し戻し。AQSのメール曰く、訂正は規定の方法で行う必要があるらしい。
具体的には:
●追記・訂正方法 ・追記・訂正は獣医師に実施いただいてください。 ・訂正いただく際は、誤った記述を二重線で消し、付近に正しい情報を記載してください。 ・追記・訂正箇所には、訂正者のサインの記入もしくは押印をお願いいたします。
※修正液などによる訂正は、不正な訂正となりますので絶対に行わないようご注意願います。要するに:
- Form ACの訂正は自分ではなく、獣医師 が行うこと
- 誤記は二重線で消し、近くに正しい情報を書くこと
- 訂正箇所には訂正者(獣医師)のサインまたは押印が必要(獣医師が訂正した証明)
ちいさな日本書類ショック。
仕方なくもう一度病院へ行き、先生に訂正してもらい、スタンプも押してもらった。
その後に再提出して、ようやく通過。
面倒だったけど、まだ軽傷で済んだ方だと思う。
ステップ7:中国(税関)の証明書を取得
このステップで取得するのは、中国の政府機関(税関/CIQ)が発行する Animal Health Certificate(動物衛生証明書に相当するもの)。
この
Animal Health Certificateは、中国国内線で地方の検疫所が出す動物検疫合格证明とは別物。絶対に混同しないこと。
政府機関とのやり取りは、考えるだけで面倒だけど、やるしかない。
まず、「どこの税関で発行してもらうのか」で数日溶けた。
地元の税関は「やったことがないから省都で」と言い、省都は「属地管轄だから地元で」と言う。
その押し付け合いがしばらく続いたあと、結局は地元税関が折れて、省都から降りてきた手順書を見ながら受けてくれることになった。
地元税関にとってもペットの出国検疫は初めてで、完全に手探りだった。マイクロチップを読むスキャナすらなくて、私は自費で買った。
何度か建物へ通い、手続き中も省都の指示書を一項目ずつ照らし合わせていた。かなり慎重だったと思う。
対応は悪くない。ただ遅い。とにかく遅い。
上の話は超ざっくり。細部は覚えたくないし覚えられない。必要な人は現地のルールに合わせて臨機応変に(
今振り返ると「意外とちゃんと進んだ」と言えるけれど、当時は先が見えず、毎回どこかで止められるのではという不安があって、かなり消耗した。
苦労して発行してもらった Animal Health Certificate は、本紙に加えてコピーが数枚付いてくる。
出国時に中国側が確認し、そのうちコピー1枚は回収される。
ただし 原本 は必ず手元に残すこと。日本到着後の検疫で原本が必要になる。
ステップ7.25:中間チェック(書類を確認)
ここまで来たら、出発前に必要なものはだいたい揃っているはず。最後に持ち物チェック。
狂犬病抗体価検査結果(合格 の証明)Animal Health Certificate(税関発行)Animal Health Certificateのコピー(獣医師署名と病院スタンプが必要)Form AC(獣医師署名と病院スタンプが必要)輸入検査申請書(到着日・空港をAQSへ通知)届出受理書(日本側の受理・承認)航空券(ペットの貨物搭載予約込み)ワクチン手帳(今は出番が少ないかもしれないけど、念のため保管)
このうち 1〜4 は原本を必ず確保しておく。中国出国時に回収されると困る。日本到着後に日本側へ原本を提出して確認されるから。
なのでコピーは多めに。備えあれば憂いなし。
これで七つ八つのドラゴンボールが揃った。神龍を呼べる。
あとは出発当日を待つだけ。
全然落ち着かない。親戚や友人への挨拶、荷造り、いろいろ忙しい(
ステップ7.5:フライト当日
そしてついに出発の日。
まず航空会社カウンターで、「事前にペット枠を予約しているので、猫を預けたい」と伝える。
スタッフはかなり親切で、書類記入、料金支払い、税関での書類確認まで案内してくれたあと、キャリーの中で小さくなっている猫を連れて行った。
次に会うのは日本。
キャリーは航空会社の規定に合うものを用意すること。基本は「頑丈」「通気性」など。
詳細は各航空会社の公式サイトで確認。
そこから先は普通の旅行と同じ。荷物を預けて、出国して、搭乗して、離陸。
ステップ8:日本到着後の検疫・健康チェック
日本到着後、最初に待っていたのは懐かしのPCR検査だった(当時…)。
解放されたら荷物と猫を受け取りに行く。空港スタッフが親切にまとめて探してくれて本当に助かった。
その後、AQSのメールに添付されていた地図を頼りにカウンターへ向かい、書類一式を提出。
問題がなければ、猫は横の小部屋へ連れて行かれ、簡単な健康チェックを受ける。所要時間は思ったより短かった。
全部終わると、AQSから「検査済み・入国可」の書類が渡される。
長かった手続きも、ここでやっと完了。
参考資料
本文で触れた(または触れていない)参考リンク集
-
写给宠物主人的对郭宇《日本移居指南》的补充 — Socranotes
大型犬を日本へ連れてくる過程が非常に詳しくまとまっていて参考になる -
動物検疫所(AQS)からの公式メール返信(2022年版)
NACCSで輸入検査申請書を提出した後に送られてきたメール。必要手続きのリマインドになっている長文なのでクリックで展開
2022/*/*に到着する動物の輸入に関する届出を受理しました。※搭載予定航空機名(便名)、日本の住所(荷受人住所、仕向地住所)が決まりましたら、NACCSを利用して届出訂正してください。受理番号:*下記サイトを確認し、届出受理書をご確認ください。https://webaps.nac6.naccs.jp/dfw/prod/anau/anipas/*「届出受理書」は、輸出国での手続きや航空会社等の搭乗手続きの際に提示を求められることがありますので、印刷したもの、または、電子ファイルを大切に保管してください。(航空機へのペット搭載の可否については、ご利用予定の航空会社に必ずご確認ください。日本へのスムーズな入国のため予め届出情報をご搭乗予定の航空会社に提供する場合がありますのでご了承ください。)なお、受理書記載の係留期間は予定であり、12時間以内の係留検査を保証するものではありません。到着日の延期等、届出内容に変更が生じる場合は速やかに(当初の到着予定日までに)、NACCSシステムより変更手続きを行ってください。連絡が無く予定日に到着しなかった場合、今回の輸入届出についてはキャンセルとなります。<<輸入検査>>成田空港到着後、税関検査前に動物の輸入検査を受ける必要があります。ご利用航空会社より動物を受け取り後、税関検査場内の動物検疫カウンターにお越しください。動物検疫カウンターの地図は添付ファイルを参照して下さい。当日、お手続きの所要時間は通常30分から1時間程度です。<<証明書取得にあたっての注意事項>>中国は証明書の取得が非常に困難な国となっています。以下のウェブサイトに手続きの詳細が載っていますので、ご参照ください。北京 http://www.cn.emb-japan.go.jp/consular_j/animal-ctoj_j.htm広州 http://www.guangzhou.cn.emb-japan.go.jp/consular/doc/inuneko.htm上海 http://www.shanghai.cn.emb-japan.go.jp/procedure/new160503-j.html大連 https://www.dalian.cn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/00_000430.html中国の動物検疫機関は「中華人民共和国出入境検験検疫局(以下、検験局。略称CIQ)」となります。1.検験局の所定の様式<ANIMAL HEALTH CERTIFICATE>に全ての処置事項の記載がある、または2.日本の推奨様式Form ACに検験局のサイン及び公印を取得する、必要があります。しかし、過去の輸入事例から上記2点の実現は非常に困難であると思われ、1.については、狂犬病抗体検査についての記載がない2.については、日本の様式に中国の公印を押印しないということが予想されます。このため、まず当メールの添付ファイルから推奨様式(Form AC)を印刷します。(FormACは添付の記入例を参照してください。)そして、中国から出国する10日以内に検験局指定の動物病院にて健康診断を受診の上、Form ACの作成を依頼し、動物病院のスタンプ及び担当獣医師のサインを取得してください。また、検験局の所定の様式<ANIMAL HEALTH CERTIFICATE>も取得してください。検験局の所定の様式<ANIMAL HEALTH CERTIFICATE>に狂犬病抗体検査について記載がなければ、その所定の様式<ANIMAL HEALTH CERTIFICATE>のコピーを取り、そのコピーに動物病院のスタンプを取得してください。<<到着時に必要な書類>>下記4点の原本●狂犬病抗体検査証明書原本(指定検査施設発行のもの)●検験局の所定の様式<ANIMAL HEALTH CERTIFICATE>●検験局の所定の様式<ANIMAL HEALTH CERTIFICATE>のコピー(動物病院のスタンプ)●Form AC(動物病院のスタンプ及び担当獣医師のサイン)●ご到着までにNACCSにて輸入検査申請手続をお願いいたします。☆注意☆出国前の健康診断では、必ず獣医師にマイクロチップの読み取りを依頼してください。輸入検査時にマイクロチップが読み取れなかった場合は、返送または最長180日間の係留検査を受けることになります。証明書内容に不備がある場合(裏書きが無い場合を含む)、インク消し、消すことが可能な筆記具(鉛筆やフリクションペン等)やホワイト等の使用、文字の上から二重に書き込む等の不正な修正を加えた場合は、証明書を再取得していただきます。輸出国政府機関による裏書後に証明書内容を訂正することは困難ときいております。裏書き取得前に受理書を添付の上、FAXまたは電子メールで証明書をお送りいただきましたら、当所で内容を確認しますのでご活用ください。輸入検査において何らかの不備等があった場合、到着動物は飼い主様の負担により返送、または不備等が解消されるまで最長180日間の係留検査を受けることになりますので、着実にご準備くださいますようよろしくお願いいたします。
まとめ
今回、猫を海外に連れて行くにあたって、できるだけ多くの手続きを自分でやった。資料を読み、証明書を集め、AQSとやり取りし、病院と税関と配送業者の間を行き来して……かなり時間も気力も使った。
振り返ると、本当に難所だらけだったと思う。
お金さえあれば全部Taobaoに投げられる
それでも最終的に猫をちゃんと日本まで連れて来られたので、やった甲斐はあった。
ネット上の資料、見ず知らずの人たちの投稿、小紅書に大量にある「ペット海外渡航」系の記録など、いろいろな情報にかなり助けられた。あれがなければ、たぶん途中で詰んでいた。
このメモの目的のひとつも、後から同じことをやる人のために参考情報を残すこと。
出国前は、「本当に猫も一緒に連れて行くのか」でかなり迷った。手続きは面倒だし、家族も反対だった。自分ひとりで海外へ移るだけでも十分に大変なのに、まったく知らない環境では最初に処理することが山ほどある。
まずは自分だけ行き、落ち着いてから猫を呼ぶのが一番堅実だ、という意見も間違っていなかったと思う。
でも、国内でペットが殺されるようなニュースを見るたびに、できるだけ早く連れ出したいという気持ちの方が強かった。
結果としては運も味方してくれて、無事に日本へ到着。大成功🎉
ここまでで本編終了。
2024/02/06, Japan
次回予告
ようやく「猫を日本へ連れて来る」篇を書き終えた。かなり大きな荷物を下ろした気分。
12月初めにファイルを作って、今はもう2月初め。丸2か月かかった。ようやく怠惰に一勝。
本当なら入国してすぐ、記憶が新しいうちに書き始めるべきだった。
でも初めての海外生活は、想定内も想定外も含めて普通に大変だった。
言語。工事現場仕込みの寄せ集め日本語でも試験は通ったけれど、実生活はやっぱり別。
仕事。分からない。新人とはそういうもの。
生活。一人と一匹の生活は快適すぎる。
うちの猫はウンコが激臭で、手も悪くて睡眠を邪魔するし、たまに布団をトイレ扱いするけど、それでも良い猫です
この投稿は「猫を連れて日本へ来た手続き」の話。次はたぶん、「自分がどうやって日本へ来たか」の話も書く。
私にとって「日本に来る」は、これまでの人生で数えるほどの転機。
いま考えていることを残しておけば、将来読み返したとき面白いはず。
また大工事になりそう。もう疲れている。
なので着工前に、しばらく軽い記事を何本か挟んで気分転換する予定。
つづく
猫の渡航記録で 2023 年度总结 をサボって延期したせいで、旧正月にも間に合わなさそう。
そこで思いついた苦し紛れの救済策は、今から 2024 年度总结 を書き始めること。1年あれば、さすがに今年の年末までには間に合う……はず。
2024 年度总结の十二分の一:2024年1月 月次まとめ。堂々新規フォルダ作成。
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