きっかけ
「紫陽花」は日本語で「あじさい」と読む。この読み方を初めて知ったのは、ラノベの『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)』だった。
原作タイトルは「わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)」。長さまでラノベのステレオタイプどおり(
当時はまだ 4 巻か 5 巻までしか出ていなかった気がする。全部読んで、一番好きになったのが「瀬名紫陽花」だった。(紫陽花大天使!)
その後アニメ化が発表され、TV 版は大ヒットし(たぶんかなり人気だったはず)、劇場版の評判も上々。商業的にはかなり成功したようだ。ただ個人的には、TV 版の作画が少し貧相に見えた。1 話だけ見てちょっと気恥ずかしくなり、そのまま追わなかった(
作中では「瀬名紫陽花」に「せな あじさい」と読み仮名が振られていた。当時は、この漢字と読み方にまるでつながりがないように思えて、覚える手がかりがひとつもなかった。
それでも何度か読み返すうちに、ちゃんと覚えた。これがキャラへの愛というものだ
ついでに言うと、
こういう不憫枠のキャラには妙に惹かれるらしい。たとえば『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』の露崎さんまひる天使や、『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』の郡上先輩など(
╯ 乀
ヘ へ
′
﹀
悪くないじゃん.jpg
えーっと、だいぶ話がそれた。ここまでの話は、実のところ今回の旅とはほぼ関係ない(
下田公園のあじさい祭へ行こうと思った本当のきっかけは、前回の伊豆旅行で下田公園のそばを通ったことだった。たまたま Google Maps のクチコミに、6 月はここであじさい祭が開かれると書いてあった。
ふむ、なかなか良さそう。旅行候補リストに追加。
計画
6 月が近づいてから、関連情報を追い始めた。今年は雨が多い。紫陽花にとっては、日差しでしおれずに済むのでありがたい。一方、旅行の計画を立てる側にはあまり優しくない。週末の 2 日間がずっと曇りと雨では、誰だって困る。
詳しい開花情報は、公式の下田あじさい開花状況で確認できる。
6 月に入ると、だいたい 2、3 日おきに今は何分咲きかを知らせる記事が出て、参考用の写真も大量に載せてくれる。
今回は満開を待たず、雨の少なそうな週末を見つけて出発した。
あじさい祭
週末で少し渋滞していたうえに、道も一本間違えた。公園に着いたころには、もう夕方近くになっていた。

曇り空。
まあ、これで満足。少なくとも雨は降っていない。

小紅書で人気の撮影スポットを探してみたけれど、見つからなかった。とりあえずここでお茶を濁す。


突然、ほんの数分だけ日が差した。ここぞとばかりに連写。

マジックアワー終了
花は多く、人は少なく、景色も心地いい。体験としては鎌倉のほうよりずっと良さそう(
ログハウスの民宿
夜は民宿に 1 泊。普通の板材で建てたログハウスと違って、ここは加工していない丸太をそのまま組み上げていた。面白い。
ただし欠点もあって、1 階に泊まった友人は、カビ臭さで一晩眠れなかったらしい(


細部をいくつか。

家のそばでは BBQ もできる。みんなで派手に動き回っていたけれど、実は誰ひとり焼き方を知らない。

「生肉を食べるくらいなら、焼きすぎるほうがいい」の精神を貫き、全員そろって炭火で焼いた炭を食べることに成功した。
山の夜はやはり少し怖い。森に何の野生動物がいるのか分からないけれど、しょっちゅう足音が聞こえてくる。
そのうえ怪談までひとつ生まれた。別の車で来た人たちは、離れるときに確実に施錠したと言う。ところが、あとで荷物を取りに戻ると、車のドアが大きく開いていた。(わざと怖がらせているだけだと信じたい…)
オーナーにも伝えたが、どうしようもない。民宿じゅうに監視カメラが敷き詰められているわけでもなく、未解決事件として残すしかなかった。
オーナーと話してみると、この一帯の山は全部彼の家の土地らしい。ログハウスが何棟もあり、近くにはキャンプ場まである。
正真正銘の大地主。うらやましい。
もっとも、それなりの代償もある。交通が不便なのに加え、少し前に台風が通過して、たくさんの大木が倒れた。民宿へ向かう道の頭上にも一本の大木が横たわり、電線だけで支えられていた。その下に、どうにか車が通れる空間が残っている。
オーナーによると、電力会社は「この電線は非常に丈夫なので、木の一本くらい余裕で支えられる」と説明したらしい。だからここの優先順位は低く、先にほかの場所を片づけて、落ち着いたら戻って修理するとのこと…
白浜&大室山
勝手に開いた車のドアという怪談を引きずったまま就寝。幸い、全員無事に朝を迎えた
翌日は、ほかの観光地もいくつか回った。

白浜。
名前どおりの白い砂浜で、砂は外の歩道にまであふれ出し、バス停の標識も半分埋まっていた。

大室山。
どうして有名なのか、いまだによく分からない。抹茶プリンに似ているから? ただの小さな山に見えるけれど(
再訪
下田のあじさい祭は 6 月いっぱい続く。7 月に入ると紫陽花は枯れ始め、祭りも終わる。
8 月半ば、ひょんなことから再びこの場所を訪れた。本来の目的は伊東の花火大会だったが、ちょうど旅仲間が 2 人見つかり、その流れでもう一度伊豆を一周することになった。
ただ、花火大会ではいろいろな事故が重なり、少し心残りができた。詳しくは別の旅行記に書くかもしれない。
お蔵入りにならなければ


2 か月前に咲き誇っていた紫陽花は、ぎょっとするほど枯れ果てていた。株全体が錆びたようで、葉まで錆模様に覆われ、触れたら崩れ落ちそうに見える。
それでも意外なことに、この惨状を免れた花もあった。たとえば日陰の谷間には、まだいくつかつぼみが残っている。

青緑色で、まだ壮年期といった風情の花まであった。まさに「まだまだ青い」というやつか
もう 2 か月もたったのだから、一輪も残っていないと思っていた。それでも、ちゃんと咲き残っている花はある。
意外と花期が長い。
エピローグ
本来なら、ごく普通の「下田公園あじさい祭」旅行記になるはずだった。それを十分長く、つまり 3 か月も寝かせた結果、思いがけず後日談までついてきた(
この伊豆旅行に限った話でもない。今年のゴールデンウィークに書くつもりだった「Day 2:秩父の旅」も、フォルダすら作らないまま放置していたら、先に 2 周目を迎えてしまった。これで 2 回分を 1 本にまとめられる。実にうれしい話だ(
「仕事によっては、放っておけば消えるひとつにまとまる」という説が十分に実証された。
というわけで、ブログが 4 か月空いた末に、~~『わたしが素直に積み残しを埋めるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)』~~堂々連載開始。
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